NOP WORKS

Microsoft Windows XP からのリモートシャットダウン

作成日:2007/ 6/11(Mon)

最終更新日:2017/10/19(Thu)

リモートシャットダウンツールの shutdown.exe はローカルコンピュータまたはリモートコンピュータに対して シャットダウン、再起動、ログオフ(ローカルコンピュータのみ)を指示できるコマンドです。 指示は全てコマンドラインから行えますが、操作ウインドウを表示してウインドウ操作で指示することもできます。

shutdown.exe は Microsoft Windows XP, Microsoft Windows Server 2003, Microsoft Windows Vista に付属しています。 また、Microsoft Windows NT 4.0, Microsoft Windows 2000 の場合、 Microsoft Windows 2000 Resource Kit に含まれている shutdown.exe が利用可能で、 Microsoft Windows 2000 Resource Kit を購入することで入手できます。

ここでは主に Windows XP で shutdown.exe を利用してリモートコンピュータを操作する方法について説明します。

リモートシャットダウンダイアログでの操作

最初に操作が直感的に行える操作ウインドウでの操作方法を説明し、その後コマンドラインでの操作方法を説明します。

shutdown.exe の実行には実行するコンピュータと操作対象コンピュータでの「シャットダウン権限」が必要です。 実行する際は Administrator などの権限を持ったユーザーでログオンしてください。

shutdown.exe の実行は「コマンドプロンプト」または「名前を指定して実行」に 「shutdown.exe(「.exe」は省略可)」と入力することで行います。 この際、コマンドライン引数を渡すことでオプションの指定が可能です。 操作ウインドウを表示するには「-i」オプションを指定します。

command prompt shutdown window
図1: コマンドプロンプトからの実行 図2: 「名前を指定して実行」ウインドウからの実行

「-i」オプションを指定して実行すると、「リモートシャットダウンダイアログ」が表示されます。 このウインドウで指定したコンピュータへの指示が行えます。

remote shutdown dialog
図3: リモートシャットダウンダイアログ

「追加」ボタンを押すと「コンピュータの追加」ウインドウが表示されるので、 操作したいコンピュータのコンピュータ名を入力した後、 「OK」ボタンを押してコンピュータ名を追加します。

add computer computer added
図4: 「コンピュータの追加」ウインドウ 図5: コンピュータの追加後

指示する内容を選択します。 既定値は「シャットダウン」になっています。 Windows XP の shutdown.exe で選択可能な項目は以下のとおりです。

  • シャットダウン
  • 再起動
  • ログオフ

操作を行った時に対象コンピュータ上にメッセージを表示する場合は 「動作に対する警告を表示する」のチェックボックスをチェックします。 既定はチェック状態です。
その下の「警告を表示する時間」はメッセージを対象コンピュータで表示する時間の指定です。 既定値は 20 秒です。

message window
図6: 警告ウインドウ

コンピュータをシャットダウン(再起動/ログオフ)する理由を選択します。 ここで選択した内容は操作対象コンピュータのイベントログに記録されます。 理由を選択することで「OK」ボタンが有効になり、対象コンピュータへの指示が可能になります。

コメントは警告ウインドウのメッセージ欄に表示する内容です。 必要に応じて入力します。

以上の設定内容に問題がなければ「OK」ボタンを押して指示を実行します。

コマンドラインからの操作

コマンドラインから実行する際は、コマンドラインオプションで動作内容を指示します。 Windows XP の shutdown.exe の構文と指定可能なコマンドラインオプションは次のとおりです。

[構文]

shutdown [-i | -l | -s | -r | -a] [-f] [-m \\コンピュータ名] [-t xx] [-c "コメント"] [-d up:xx:yy]

[オプション]
オプション 意味
オプションなし 使用方法のメッセージを表示します (-? と同じです)
-i リモートシャットダウンダイアログを表示します。このオプションは最初に指定する必要があります
-l ログオフ
ローカルコンピュータの操作に対してのみ指定可能です。 (-m オプションとは併用できません)
-s コンピュータをシャットダウンします
-r コンピュータをシャットダウンして再起動します
-a システム シャットダウンを中止します
-m \\コンピュータ名 シャットダウン/再起動/中止するリモート コンピュータの名前です
-t xx シャットダウンのタイムアウトを xx 秒に設定します
-c "コメント" シャットダウンのコメントです (127 文字まで)
-f 実行中のアプリケーションを警告なしに閉じます
-d [u][p]:xx:yy シャットダウンの理由コードです
u = ユーザー コード
p = 計画されたシャットダウンのコード
xx = 重大な理由コード (255 以下の正の整数)
yy = 重大ではない理由コード (65535 以下の正の整数)

[理由コード]
Windows XP 付属 shutdown.exe の使用方法のメッセージでは理由コードの説明が表示されないので、 ここでは Windows Vista 付属 shutdown.exe の使用方法のメッセージから引用しています。

種類 主因 副因 タイトル
U00その他 (計画外)
E00その他 (計画外)
E P00その他 (計画済)
U05その他の障害: システム応答なし
E11ハードウェア: メンテナンス (計画外)
E P11ハードウェア: メンテナンス (計画済)
E12ハードウェア: インストール (計画外)
E P12ハードウェア: インストール (計画済)
P23オペレーティング システム: アップグレード (計画済)
E24オペレーティング システム: 再構成 (計画外)
E P24オペレーティング システム: 再構成 (計画済)
P216オペレーティング システム: Service pack (計画済)
217オペレーティング システム: ホットフィックス (計画外)
P217オペレーティング システム: ホットフィックス (計画済)
218オペレーティング システム: セキュリティ フィックス (計画外)
P218オペレーティング システム: セキュリティ フィックス (計画済)
E41アプリケーション: メンテナンス (計画外)
E P41アプリケーション: メンテナンス (計画済)
E P42アプリケーション: インストール (計画済)
E45アプリケーション: 応答なし
E46アプリケーション: 不安定
U515システム障害: STOP エラー
E519セキュリティの問題
U519セキュリティの問題
E P519セキュリティの問題
E520ネットワーク接続の損失 (計画外)
U611電源障害: コードが抜けました
U612電源障害: 環境
P70レガシ API シャットダウン

(E = 予期していた理由 U = 予期していない理由 P = 計画済み, C = ユーザー定義)

コマンドラインから指示を行う場合は次のように入力します。

C:\>shutdown -r
この例ではローカルコンピュータに対して再起動の指示を行っています。 ここで「-r」を「-s」にすると「シャットダウン」になり、「-l」にすると「ログオフ」になります。 なお、「-r」「-s」「-l」は同時に 2 つ以上指定することができません。 同時に 2 つ以上指定した場合、使用方法が表示されます。

リモートコンピュータに対して指示を行う場合は次のように入力します。

C:\>shutdown -r -m \\srv01
この例では「srv01」という名前のコンピュータに対して再起動の指示を行っています。 リモートコンピュータを指定するには「-m」オプションを使用します。 コンピュータ名は先頭に「\\」を付けて指定します。

その他のオプションについては上記のオプション一覧を参考に指定してください。